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千葉地方裁判所 平成3年(わ)1236号 判決 1992年5月27日

本店所在地

千葉県袖ヶ浦市神納四一三五番地

株式会社

新生企業

(右代表者代表取締役 鈴木庸夫)

本籍

千葉市花見川区幕張町三丁目一〇九五番地の二五

住居

同市若葉区若松町二五〇番地の五四

会社役員

鈴木庸夫

昭和一三年七月四日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官平山龍徹出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社新生企業を罰金一、二〇〇万円に処する。

被告人鈴木庸夫を懲役一年に処する。

被告人鈴木庸夫に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社新生企業(以下「被告人会社」という。)は、千葉県袖ヶ浦市神納四一三五番地に本店を置き、労働者派遣業等を営むもの、被告人鈴木庸夫(以下「被告人鈴木」という。)は、被告人会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人鈴木は、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、労働者から徴収した食事代収入等を除外し、架空賃金を計上するなどの方法により所得を秘匿した上、

第一  昭和六一年四月一日から同六二年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得額が四、〇二四万八、一〇八円であったにもかかわらず、同年五月二九日、同県木更津市富士見二丁目七番一八号所在の所轄木更津税務署において、同税務署長に対し、その所得額が二五一万八、九四八円で、これに対する法人税額が七五万六、七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額一、六四一万九、五〇〇円と右申告税額との差額一、五六六万二、八〇〇円を免れ、

第二  昭和六二年四月一日から同六三年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際の所得額が四、六六一万四六八円であったにもかかわらず、同年五月三一日、前記木更津税務署において、同税務署長に対し、その所得額が二五三万五、二七六円で、これに対する法人税額が七四万七、〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額一、八六〇万二、七〇〇円と右申告税額との差額一、七八五万五、七〇〇円を免れ、

第三  昭和六三年四月一日から平成元年三月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得額が六、四八六万三、四八二円であったにもかかわらず、同年五月三〇日、前記木更津税務署において、同税務署長に対し、その所得額が二、〇一六万八、七七七円で、これに対する法人税額が七四七万三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額二、六二四万二、二〇〇円と右申告税額との差額一、八七七万一、九〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部について

一  被告人会社代表者である被告人鈴木の当公判廷における供述

一  被告人鈴木の検察官に対する供述調書三通

一  被告人鈴木の大蔵事務官に対する質問てん末書二通

一  検察事務官作成の捜査報告書(七枚綴りのもの)

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料二通、雑給調査書、雑収入調査書及び事業税認定損調査書

一  千葉地方法務局木更津支局登記官作成の登記簿謄本

判示第一及び第二の事実について

一  大蔵事務官作成の地代・家賃調査書

判示第一の事実について

一  大蔵事務官作成の法人税額計算書及び脱税額計算書(いずれも昭和六一年四月一日から同六二年三月三一日までの期間に関するもの)

判示第二及び第三の事実について

一  大蔵事務官作成の給与手当調査書及び雑費調査書

判示第二の事実について

一  大蔵事務官作成の法人税額計算書及び脱税額計算書(いずれも昭和六二年四月一日から同六三年三月三一日までの期間に関するもの)

判示第三の事実について

一  大蔵事務官作成の修繕費調査書及び賞与引当金繰入限度超過額調査書

一  大蔵事務官作成の法人税額計算書及び脱税額計算書(いずれも昭和六三年四月一日から平成元年三月三一日までの期間に関するもの)

(法令の適用)

被告人会社及び被告人鈴木の判示各所為は、各事業年度ごとに法人税法一五九条一項(被告人会社についてはさらに同法一六四条一項)に該当するところ、被告人会社については情状により同法一五九条二項を適用し、被告人鈴木については所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、被告人会社については、同法四八条二項により合算した金額の範囲内で、被告人鈴木については同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で、被告人会社を罰金一、二〇〇万円に、被告人鈴木を懲役一年に各処し、被告人鈴木に対し、情状により同法二五条一項を適用して、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 土屋哲夫)

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